バッテリーを選ぶ際に、もっとも重要な判断基準のひとつが「容量」です。とはいえ、「バッテリー容量とは何か」「AhやkWhの違い」「どれくらいの時間使えるのか」など、正確に理解できている方は意外と少ないかもしれません。この記事では、バッテリー容量の基本から、アンペア時(Ah)とキロワット時(kWh)の違い、計算方法、使用時間の目安、そして失敗しない選び方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
自宅用蓄電池やキャンピングカー、BCP対策、ポータブル電源など用途はさまざま。実際に人気の高い「LVYUAN(リョクエン)」の製品を例に、どのようなシーンにどれくらいの容量が適しているかもご紹介しますので、購入を検討されている方はぜひ最後までご覧ください。
LVYUAN(リョクエン)リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを例にすると、12V300Ah(3.84kWh)や51.2V200Ah(10.24kWh)などのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの「仕様」ページには、公称容量(Ah)や電力量(Wh/kWh)、出力電圧などの詳細が明記されており、初めての方でも使用目的に応じて適切なモデルを選定しやすくなっています。
バッテリー容量とは、「そのバッテリーがどれくらいの電流を、どのくらいの時間にわたって供給できるか」を示す数値です。単位は「Ah(アンペアアワー)」で表され、たとえば「100Ah」の場合、「1時間に100A」あるいは「10時間に10A」といった具合に電流を流すことができます。LVYUANの「12V 100Ah」リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、公称容量が100Ahとなっており、これは12V機器に対して比較的長時間の電力供給が可能な中容量タイプです。
容量が大きくなるほど、長時間の使用や多くの機器への対応が可能になりますが、重さやサイズ、価格も上がるため、使用目的に応じた選定が重要です。
一方で、「kWh(キロワット時)」は、電力量(=実際に使用できるエネルギーの総量)を示す単位です。これは主に電力消費量や節電効果を評価する際に用いられ、1kWhは「1000Wの電力を1時間使用した量」となります。たとえば、電気ケトル(1000W)を1時間使うと1kWh、ノートパソコン(50W)であれば20時間使ってようやく1kWhになります。
このように、kWhの数値は、実際にどのくらいの電気製品を、どれほどの時間使えるかをイメージするのに適しており、バッテリー選定の際にも重要な判断基準です。
バッテリーの「Ah(アンペアアワー)」を「kWh(キロワット時)」に変換するには、以下の計算式を使用します:Ah × 電圧(V) ÷ 1000 = kWh
たとえば、LVYUANの12.8V 100Ahバッテリーを例にとると:100Ah × 12.8V ÷ 1000 = 1.28kWh
つまり、このバッテリーはフル充電時に 1.28kWh の電力を蓄えることができるという意味になります
同じ100Ahでも、12.8Vと48Vでは蓄えられる電力量は大きく異なります。12V 100Ahは1.2kWhですが、もし48V 100Ahであれば、電力量は4.8kWhにもなります。
したがって、Ahの数値だけで容量を比較するのは不正確であり、必ず「電圧」とセットで確認する必要があります。
LVYUANの12V 100Ahバッテリーは1.2kWhの電力量を持ち、たとえば以下のような使用が可能です:
ノートパソコン(50W) → 約24時間使用
LED照明(20W) → 約60時間点灯
小型冷蔵庫(100W) → 約10~12時間稼働(損失除く)
もちろん、インバーターの変換効率(約90%前後)や実際の放電条件によって使用時間は若干変動しますが、「どのくらい使えるか」を考える際の目安となります。
この計算に使う「12V」は、多くの場合「公称電圧(こうしょうでんあつ)」と呼ばれるもので、バッテリーの平均的な電圧を示します。一方で「定格電圧」は製品によって微妙に異なる場合もあり、厳密な電力量を求める際には、製品仕様に記載されている電圧値を参考にするとより正確です。
バッテリー容量の計算が面倒な方は、以下の表をご参考ください。代表的なアンペア時(Ah)と電圧(V)の組み合わせに応じたキロワット時(kWh)の値を一覧にしました。
アンペア時(Ah) | 12V | 24V | 36V | 48V |
---|---|---|---|---|
30Ah | 0.36 kWh | 0.72 kWh | 1.08 kWh | 1.44 kWh |
60 Ah | 0.72 kWh | 1.44 kWh | 2.16 kWh | 2.88 kWh |
100 Ah | 1.2 kWh | 2.4 kWh | 3.6 kWh | 4.8 kWh |
200 Ah | 2.4 kWh | 4.8 kWh | 7.2 kWh | 9.6 kWh |
300 Ah | 3.6 kWh | 7.2 kWh | 10.8 kWh | 14.4 kWh |
たとえば、LVYUANの「12V 300Ahリン酸鉄リチウムバッテリー」であれば、計算式により以下のようになります。
12V × 300Ah ÷ 1000 = 3.6kWh
このバッテリーは3.6kWhのエネルギーを蓄えており、たとえば消費電力1000W(1kW)の家電であれば:
3.6kWh ÷ 1kW = 約3.6時間 使用可能
つまり、電子レンジやIHクッキングヒーターなど1kW級の機器であれば、およそ3時間半程度の連続使用が可能ということになります。
実際にどのくらい使用できるかを知るには、次のような計算式を使います:
使用時間(時間)= バッテリー容量(kWh) ÷ 使用機器の消費電力(kW)
【例】
・バッテリー:12V 100Ah → 1.2kWh
・機器の消費電力:0.2kW(200W)
→ 使用時間:1.2 ÷ 0.2 = 6時間
このように、自分が使いたい機器の「消費電力」を把握すれば、必要なバッテリー容量が自然と見えてきます。
メーカーによっては、「Ah(アンペア時)」で表記されているものと「Wh(ワット時)」「kWh(キロワット時)」で表記されているものがあります。
Ah表記:バッテリーが何時間動作可能かという「持ち時間の目安」に近い。
Wh/kWh表記:バッテリーに蓄えられた「総エネルギー量」を表し、他の電圧製品との比較にも使いやすい。
LVYUANでは、公称容量(Ah)と併せて電力量(WhやkWh)も併記しており、初心者でも選びやすい仕様となっています。
バッテリーの選定においては、「どのような場面で何に使いたいのか」を明確にすることが大切です。以下に、代表的な使用シーンに応じた容量の目安を紹介します。
車中泊では、小型冷蔵庫やLEDライト、スマートフォンの充電などが想定されます。たとえば、小型冷蔵庫の消費電力は約60W(0.06kW)。これに対して、LVYUANの12V 100Ahバッテリーは最大1.2kWh(12V×100Ah)のエネルギーを蓄えられます。
単純計算では、1.2kWh ÷ 0.06kW ≒ 約20時間連続稼働が可能。もちろん、放電深度(DOD)や外気温、冷蔵庫のON/OFF周期などにより実際の使用時間は短くなることもありますが、「一晩を快適に過ごす」には十分な容量といえるでしょう。
キャンプや防災用途として、電気毛布やIH調理器、扇風機などの高出力機器を使うケースでは、より大きな容量が求められます。
たとえば、消費電力1000Wの電気毛布を使用する場合、**LVYUANの24V 100Ahバッテリー(2.4kWh)**であれば、
2.4kWh ÷ 1kW = 約2.4時間の使用が可能です。連泊や夜通しの利用を考えるなら、バッテリー容量を200Ahに増やすなどの工夫も有効です。
家庭での電力バックアップ用途では、冷蔵庫・テレビ・照明・Wi-Fiルーターなどの複数機器を同時に使うことが一般的です。日常消費における平均的な必要容量は7kWh〜10kWhが目安とされており、LVYUANの51.2V 200Ah(10.24kWh)リン酸鉄リチウム電池は、このニーズをしっかりカバーします。さらに、ソーラーパネルとの組み合わせにより、昼間に発電した電力を蓄電し、夜間や停電時にも活用することで、「完全な電力自給自足」に近づくことができます。
バッテリーをソーラーパネルで充電する場合、蓄電容量に応じた「充電にかかる日数」の試算も重要な要素です。たとえば、LVYUANの410Wソーラーパネル×4枚=約1.64kW出力のシステムを使用し、1日に平均**3〜4時間の発電ピーク(実発電出力:約5kWh/日)**が得られると想定した場合、以下のように計算できます。
必要充電量:約1.2kWhソーラー出力:約5kWh/日
充電にかかる日数:約0.25日(数時間で満充電可能)
→ 車中泊やポータブル用途において、1日晴天であれば日中に充電→夜間に使用というサイクルが成立します。
必要充電量:約2.4kWh
ソーラー出力:約5kWh/日
充電にかかる日数:約0.5日(半日程度)
→ 消費電力が高めの暖房機器等を使う場合でも、1日1回のサイクル運用が現実的です。
必要充電量:約10.24kWh
ソーラー出力:約5kWh/日
充電にかかる日数:約2〜2.5日
→ 自家発電+蓄電のメイン電源として利用する場合、連日安定した日照があることが前提になります。季節や天候を踏まえた上で、ソーラーパネルの枚数追加や商用電源との併用も検討すると安心です。
※ 上記試算は、太陽光発電量を1日5kWh程度とした場合の目安です。実際には季節・気温・日照時間・パネル角度・MPPT効率などさまざまな要因によって変動します。
このように、バッテリー容量だけでなく、充電に必要な太陽光パネルの出力とのバランスを考慮することで、より実用的な電力運用が実現できます。
複数のバッテリーを組み合わせることで、より大きな電力量(kWh)や高電圧を確保することが可能になります。家庭用・車載用・産業用など用途に応じて、「並列接続」と「直列接続」を使い分けることが重要です。
同じ電圧のバッテリーをプラス端子同士・マイナス端子同士で接続する方法です。
電圧はそのまま変わりませんが、容量(Ah)は合算されるため、「長時間の使用」や「消費電力の高い家電の連続運転」に向いています。
例えば12V 100Ahのバッテリー2台を並列接続すると:
電圧:12V(変わらず)
容量:100Ah + 100Ah = 200Ah
バッテリー容量:12V × 200Ah ÷ 1000 = 2.4kWh
このように、使用可能時間が大幅に伸びるのが特徴です。
バッテリーのプラス端子と、別のバッテリーのマイナス端子を接続することで、電圧が加算されます。容量(Ah)は変わらず、「高電圧が必要な機器」や「太陽光発電システムのパワコン要件に合わせる」用途で有効です。
同じく12V 100Ahのバッテリー2台を直列接続した場合:
電圧:12V + 12V = 24V
容量:100Ah(変わらず)
バッテリー容量:24V × 100Ah ÷ 1000 = 2.4kWh
つまり、並列・直列いずれでもkWh(エネルギー量)自体は同じですが、電圧と容量のバランスが異なる点がポイントです。
接続方式 | 主なメリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|
並列接続 | 長時間使用が可能/容量アップ | 不均等放電やバッテリーバランス管理が重要 |
直列接続 | 高電圧機器に対応/配線がスマート | 一部故障時に全体停止のリスクあり |
※ いずれの方法でも、同じ電圧・容量・製造時期のバッテリーを使用し、BMS(バッテリーマネジメントシステム)で管理することが推奨されます。異なる性能のバッテリーを無理に組み合わせると、劣化や破損、発熱・発火などのリスクがあります。
用途や設備条件に応じて、並列か直列かを選び、必要に応じて「直並列構成(直列×並列)」も検討することで、より柔軟な電力運用が可能となります。LVYUANでは、最大4台までの並列接続が可能な高性能リン酸鉄リチウムバッテリーもラインアップしており、家庭用蓄電・業務用システムにも対応しています。
バッテリー選びで最も重要なのは、「容量(Ah・kWh)」を正しく理解し、自分の使用目的や機器に合ったものを選ぶことです。
本記事では、バッテリー容量の基本的な意味や、AhとkWhの違い・換算方法、使用可能時間の計算式、用途別の選び方(車中泊・ポータブル電源・家庭用蓄電池)、ソーラーパネルとの充電バランス、直列・並列接続の特徴などを具体例とともに解説しました。
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