自家発電とは？おすすめの種類や家庭用蓄電池とソーラーパネルの併用も解説

電気代の高騰や頻発する自然災害により、「自宅でも電気をつくる」自家発電が多くの家庭で注目されています。停電時にも安心して暮らせる備えとして、また日常の電気代を削減する手段として、太陽光発電や蓄電池の導入を検討する方が増えています。本記事では、自家発電の仕組みや種類、導入のメリット・デメリット、費用の目安から、おすすめの家庭用発電セットまで分かりやすくご紹介します。「電気代を抑えたい」「停電に備えたい」「環境にもやさしい暮らしがしたい」とお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。

自家発電とは？仕組みと目的

自家発電（じかはつでん）とは、電力会社に依存せず、太陽光や風力、ガスなどを利用して自宅や施設で電気を自ら作り出す仕組みのことです。電気代の削減、災害時の停電対策、さらには環境への配慮といった目的から、個人住宅や事業者を中心に導入が進んでいます。

特に近年では、再生可能エネルギーを活用した「自家発電」が注目を集めており、CO2を排出しない点から自治体による支援や制度整備も進んでいます。たとえば東京都では、2030年までに温室効果ガスを半減させる「カーボンハーフ」を掲げ、新築住宅への太陽光発電設置を義務化する制度を2025年4月から開始予定です（※参考：東京都環境局）。

このように、自家発電は経済的にも環境的にもメリットが多く、未来の暮らしを支えるインフラの一部として定着しつつあります。

自家発電の主な種類｜それぞれの仕組みと特徴を解説

自家発電にはさまざまな種類があり、それぞれの方式によって導入コスト・発電量・維持管理のしやすさ・設置条件などが大きく異なります。どの方法を選ぶかによって、家庭での利便性やコストパフォーマンスに大きな差が出るため、自分の暮らし方や設置環境に合った選択が重要です。ここでは、家庭用として導入されることの多い代表的な5種類の自家発電方式を紹介します。

種類	概要	メリット	デメリット
太陽光発電（ソーラーパネル）	日当たりの良い屋根や庭に設置。昼間に発電し、蓄電池と併用可能。	燃料不要、低騒音、メンテナンス容易、補助金対象	日照に依存、夜間は発電不可（蓄電池併用でカバー）
風力発電（家庭用小型風車）	風の力を利用。高さ15m以下の小型風力発電機を敷地内に設置可能。	夜間や曇天でも発電可能	風に依存、騒音や振動の懸念
ガス式発電（エネファームなど）	都市ガス・LPガスを使い、電気と同時にお湯も生成。	天候に左右されない、給湯機能と一体型	導入費用が高い、ガス供給が必要
エンジン発電機（ガソリン・ディーゼル）	災害時の非常用。高出力で家電も動かせる。	即時出力、冷蔵庫やエアコンも対応可能	燃料管理が必要、騒音・排気・屋内使用不可
手動式発電機（人力）	ハンドルやペダルを使って自力で発電。防災用に適している。	燃料不要、持ち運び可、災害時に活躍	発電量が非常に少ない（最大100W程度）、継続には体力が必要

家庭に自家発電を導入する3つのメリット

電気代の上昇や自然災害の増加を背景に、家庭で電力を自給する「自家発電」が注目を集めています。ここでは、家庭に自家発電を取り入れることで得られる代表的な3つのメリットを紹介します。

1. 電気代を大幅に節約できる

自宅で発電した電気を日常的に使用することで、電力会社からの購入量を減らすことができます。特に日中に多くの電力を使用する家庭では、自家発電による「自家消費」が電気料金の削減につながります。余った電力を蓄電池にためて夜間に利用したり、一部売電することも可能で、長期的には家計にやさしい投資となるでしょう。

2. 災害時でも電力を確保できる

地震や台風などで停電が発生しても、自家発電設備があれば照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電など、最低限の電力を自給できます。特に蓄電池と組み合わせることで、夜間や悪天候時にも安定して電力を使用できるのが強みです。非常時の備えとして、安心感が格段に高まります。

3. 環境にやさしい暮らしが実現できる

太陽光や風力などの自然エネルギーを活用すれば、二酸化炭素（CO2）などの温室効果ガスを排出せず、環境負荷を大幅に軽減できます。これは気候変動対策としても有効で、持続可能なライフスタイルへの第一歩となります。さらに、エネルギーの地産地消に貢献する点でも、社会的な価値が高い選択肢です。

さらに、蓄電池と併用すると効果倍増

太陽光発電は、日中の晴天時に最も発電効率が高くなりますが、発電できない夜間や悪天候時には電力の供給が難しくなります。そこで注目されているのが家庭用蓄電池との併用です。発電した電力を蓄電池に貯めておくことで、夜間や停電時にも電力を利用でき、「発電した電気を無駄なく使う」ことが可能になります。特に、電力会社の電気料金が高くなる夜間帯では、蓄えた自家電力を優先的に使うことで、ピーク料金をカットし、さらなる節約が期待できます。また、現在のエネルギー政策においても「太陽光発電＋蓄電池」の自家消費型システムは強く推奨されており、国や自治体の補助金対象となるケースも増えています。脱炭素社会の実現に向けて、電力を自給自足する持続可能な住まいのスタンダードとして注目されています。

どのように選べばいい？自家発電システムの選び方

自家発電システムを選ぶ際には、ご家庭の電力使用状況や目的に応じて最適な容量を見極めることが大切です。一般的な家庭であれば、太陽光発電は5kW程度で十分な電力をまかなうことができますが、日中に電気自動車の充電や大容量の蓄電池を活用したい場合は、6kW以上のパネル容量があると安心です。この場合、1台のハイブリッドインバーターで対応できる最大容量を基準に選ぶと、システム全体のバランスが整います。蓄電池については、1日で使い切る分を賄える7kWh〜10kWh程度が適量とされており、災害時の備えとしてさらに安心感を求めるなら、15kWh程度の大容量蓄電池を導入し、放電下限（DOD）を抑えた運用をすることで長寿命と信頼性の両立が可能です。