オフグリッド発電システムの設定をわかりやすく解説|動作モード・充電モードの基本

オフグリッド発電システムの基本設定とは

従来の太陽光発電システム(系統連系型)の場合、パワーコンディショナーの設定は比較的複雑で、 電力会社との連系申請や各種手続きが必要になることが多く、導入までに時間がかかるケースも少なくありません。

一方、オフグリッド発電システムは電力会社の送電網に接続しないため、 こうした申請や連系手続きが不要で、比較的シンプルに導入することができます。

しかし、太陽光発電やバッテリーの性能を最大限に活用し、システムを安定して運用するためには、 インバーターの基本的な設定ロジックを理解しておくことが重要です。

特にオフグリッドシステムでは、次のような設定によってシステムの動作や電力の流れが大きく変わります。

  • 電力をどの順番で使用するのか
  • どの電源を優先するのか
  • バッテリーをどのように充電するのか

そこで本記事では、オフグリッド発電システムの設定の中でも特に重要な 「動作モード」「充電モード」の2つについて解説します。

  • 動作モード(Operation Mode)
  • 充電モード(Charging Mode)

それぞれの違いと仕組みを理解することで、オフグリッド発電システムをより効率的に運用できるようになります。


はじめに

本題に入る前に、まずいくつかの基本的な概念を整理しておきましょう。
オフグリッド発電システムを初めて使う方は、設定画面の中に01番のパラメータの SBU、UTI、SOL、SUB などのモードが表示されているのを見て、少し分かりにくいと感じるかもしれません。しかし、システムの仕組み自体はそれほど複雑ではありません。
1)オフグリッド発電システムの運転状態は、大きく分けると次の 2つの状態 に分けることができます。
  • インバーターモード

  • バイパスモード

インバーターモードとは、太陽光発電やバッテリーの電力をインバーターによって交流電力に変換し、家庭の負荷へ供給する状態のことです。つまり、太陽光やバッテリーの電気を使って家の電気機器を動かしている状態です。
一方、バイパスモードとは、商用電源(電力会社の電気)を利用して、太陽光やバッテリーを経由せずに直接負荷へ電力を供給する状態を指します。

2)バッテリーの充電方法を決める充電モードについて説明します。この設定はインバーターのパラメーター06で変更できます。主に次の2つのモードがあります。

SNU(ハイブリッド充電)
太陽光発電を優先して充電し、不足する場合は商用電源で補いながら充電します。
ただし、バッテリーからインバーター出力を行っている場合は、充電は太陽光のみに制限されます。
OSO(太陽光充電のみ)
太陽光発電のみでバッテリーを充電します。商用電源は充電には使用しません。

3)実際のオフグリッド発電システムでは、この インバーターモードとバイパスモードを状況に応じて切り替えながら運転しています。そして、その切り替えの優先順位を決めているのが、SBU、UTI、SOL、SUB といった「動作モード」です。今回の記事では、この中でも多くのユーザーが使用している SBUモード について解説していきます。

SBUとは次の3つの電源を表しています。

  • S = Solar(太陽光)

  • B = Battery(バッテリー)

  • U = Utility(商用電源)

つまりSBUモードは、太陽光 → バッテリー → 商用電源の順番で電力を使用していく動作モードです。この仕組みを理解しておくと、オフグリッド発電システムがどのように電力を切り替えて動作しているのかが、かなり分かりやすくなります。

SBUモードの動作順番の説明

SBUモードの動作を説明する前に、先にバッテリーの設定について少し触れておきます。
インバーターの動作モードを設定する前には、まずバッテリータイプを設定し、さらにBMS通信が可能かどうかを確認しておく必要があります。これらの設定によってシステムの保護動作や電圧管理の方法が変わるため、最初に確認しておくことが重要です。設定方法については別の記事で詳しく解説していますので、まだ設定していない場合はそちらをご確認ください。(ここに記事リンク)

バッテリーの設定が完了すると、次にインバーターの動作モードと充電モードを設定することができます。ここではまず、OSO充電モード(太陽光のみで充電)を設定した場合のSBUモードの動作について見ていきます。

まず通常時、システムはインバーターモードで動作します。

もし太陽光の発電量が負荷より多い場合は、太陽光の電力がそのまま負荷へ供給されます。
そして余った電力は、バッテリーの充電に使われます。

逆に、太陽光の発電量が負荷より少ない場合は、不足している分をバッテリーが補いながら電力を供給します。


つまりこの状態では、太陽光+バッテリーで家の電気をまかなうことになります。

そして夜間などで太陽光発電がゼロになった場合は、バッテリーだけで負荷へ電力を供給します。しかし、バッテリーの電圧が設定値より低くなると、システムはバッテリー保護のために動作を切り替えます。

バッテリー電圧がパラメータ 04 の設定値以下になると、システムは自動的にバイパスモード(商用電源)へ切り替わります。この状態になると、負荷への電力供給は商用電源が担当するようになります。

OSO充電モードの場合、このバイパス状態でも太陽光が発電しているときは、その電力は負荷には使用されず、すべてバッテリーの充電に回されます。

そしてバッテリー電圧がパラメータ05で設定した電圧まで回復すると、システムは再びインバーターモードへ戻り、太陽光とバッテリーを利用して負荷へ電力を供給するようになります。インバーターモードに戻った後も、システムはバッテリーの状態を継続して監視しています。もしバッテリー電圧がパラメータ 37 で設定した電圧より低くなった場合には、太陽光発電に余裕があるときに再びバッテリーへの充電が行われます。

つまり、太陽光発電で負荷をまかなったうえで余剰電力がある場合には、その電力を使ってバッテリーを充電し、できるだけ満充電に近い状態を維持するように動作します。この仕組みによって、夜間や天候が悪い時間帯でも安定して電力を供給できるように、バッテリーの残量ができるだけ高い状態に保たれるようになっています。

パラメータ 04:【設定項目No.01】が「SOL またはSBU」に設定された場合に適用バッテリー出力から商用電源出力へと切り替える電圧値を設定します。
パラメータ 05:【設定項目No.01】が「SOL またはSBU」に設定された場合に適用商用電源出力からバッテリー出力へと切り替える電圧値を設定します。
パラメータ 37:充電によってバッテリーが満充電状態となった後、電力の供給や自然放電などにより残量が少なくなった際、再充電を開始する基準となる「電圧値」を設定します。

なぜ昼間に太陽光があるのに市電で動くのか

ここまでの動作を説明すると、よくお客様から次のような疑問をいただきます。

「昼間に太陽光が発電しているのに、なぜ負荷は商用電源で動いているのか?」

これは多くの方が気になるポイントですが、システムの故障ではなく、バッテリー保護とシステム安定運転のための仕様によるものです。

例えば夜間などでバッテリー電圧が低下すると、システムはバッテリーを保護するためにバイパスモードへ切り替わります。この状態になると、負荷への電力供給は商用電源が担当し、太陽光発電の電力はすべてバッテリーの回復充電に使われます。

では、簡単な例で考えてみます。例えば夜間の電力使用量が 約5kWh だとします。
昼間の太陽光発電で 5kWh以上 バッテリーに充電できていれば、夜の電力はバッテリーだけでまかなうことができます。
仮に 10kWhのバッテリー を使用している場合、パラメータ 05(またはBMS通信時は62)70%(約7kWh) に設定するとします。
昼間にバッテリーが7kWhまで充電されていれば、夜に5kWh使っても 約2kWh の電力が残ります。この状態であればバッテリー電圧は低電圧設定まで下がらないため、システムは バイパスモードへ切り替わりません。その結果、翌日太陽光が発電を始めたときも、光伏電力を負荷へ供給しながらバッテリーを充電する通常のSBU動作を維持することができます。

オフグリッド発電システムでは、太陽光発電量・バッテリー容量・設定値のバランスによって動作が大きく変わります。システムの仕組みを理解しながら、自分の使用環境に合わせて設定を調整することで、より効率的に太陽光エネルギーを活用することができます。

まとめ|オフグリッド設定の考え方

 以上が、SBUモードの基本的な動作と設定の考え方になります。 オフグリッド発電システムは、バッテリー容量・太陽光発電量・各種パラメータ設定のバランスによって、実際の動作が大きく変わります。 そのため、使用環境や電力使用量によっては、今回紹介した設定以外の組み合わせが適している場合もあります。 もし 設定方法やシステム構成について不明な点がある場合 は、下記のリンクよりお気軽にお問い合わせください。 お客様の使用環境に合わせた設定方法やシステム構成についてご案内いたします。

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